【スナップショット】ORACLE MASTER Gold DBA 2019

概要

Oracleのマルチテナントアーキテクチャにおいて、スナップショットPDB(Snapshot PDB)とスナップショットコピーPDB(Snapshot Copy PDB)は、データベースの管理や運用を効率化するための機能です。これらの機能は、特に開発やテスト環境でのデータベースの複製や、迅速な環境構築をサポートします。以下では、それぞれの機能について詳しく説明します。

スナップショットPDB(Snapshot PDB)

スナップショットPDBは、あるPDBの状態を特定の時点でキャプチャし、そのキャプチャを基にして運用されるPDBのことを指します。スナップショットPDBは、元のPDBと同じデータファイルを参照し、元のPDBのデータに対して読み取り専用のアクセスを提供します。

特徴

  1. 読み取り専用の状態: スナップショットPDBは、元のPDBの状態を固定し、その後の変更を反映しないため、特定の時点でのデータのスナップショットを提供します。
  2. 元のPDBへの影響なし: スナップショットPDBに対する変更は、元のPDBに影響を与えません。これにより、特定のバージョンのデータを安定して利用できます。
  3. テストや開発に便利: スナップショットPDBを使用することで、開発やテスト環境でのデータの安定性が確保され、実際のデータを使用して検証やテストを行うことができます。

スナップショットコピーPDB(Snapshot Copy PDB)

スナップショットコピーPDBは、元のPDBのスナップショットを基に新たに作成されるPDBです。これは、スナップショットPDBとは異なり、元のPDBのデータをそのままコピーして新しいPDBを生成します。

特徴

  1. 独立したPDB: スナップショットコピーPDBは、元のPDBから独立しているため、コピー後に行われた変更は元のPDBには影響しません。
  2. データの複製: スナップショットコピーPDBは、元のPDBのデータファイルを実際に複製し、新しいPDBとしての運用が可能です。これにより、異なる環境でのデータベースのテストや開発が行えます。
  3. 性能向上: スナップショットコピーPDBは、元のPDBから分離されているため、負荷が分散され、パフォーマンスが向上する可能性があります。

スナップショットPDBとスナップショットコピーPDBの違い

特徴スナップショットPDBスナップショットコピーPDB
データの変更読み取り専用元のPDBから独立して変更可能
元のPDBとの関係元のPDBのデータを参照データを複製し新しいPDBとして運用
用途データの安定性が求められるテスト環境開発環境や異なるバージョンのテスト
性能元のPDBに依存するため、負荷が集中する可能性独立したPDBで負荷が分散される可能性がある

まとめ

スナップショットPDBとスナップショットコピーPDBは、Oracleのマルチテナントアーキテクチャにおける重要な機能であり、それぞれ異なる用途や利点があります。スナップショットPDBは、特定の時点でのデータの安定性を提供し、スナップショットコピーPDBは、元のPDBから独立した新しいデータベース環境を提供します。これらの機能を活用することで、開発やテスト環境の管理がより効率的になり、データベースの運用が柔軟になります。

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