【読み取り専用 Oracleホーム】ORACLE MASTER Gold DBA 2019

概要

Oracleデータベースの読み取り専用Oracleホームは、データベースソフトウェアのディレクトリを読み取り専用に設定し、設定ファイルやログ関連のファイルの変更を、他のディレクトリに分離して保存するための機能です。

この機能は、セキュリティやメンテナンスを容易にし、複数のデータベースインスタンスが同じOracleホームを共有しても影響を受けないようにするのが目的です。

読み取り専用Oracleホームの目的とメリット

セキュリティ向上

Oracleホームを読み取り専用にすることで、データベースソフトウェアのインストール後に意図しない変更やファイルの改ざんを防ぎ、セキュリティが向上します。

管理の簡素化

一度セットアップした読み取り専用のOracleホームは、他のデータベースインスタンスで共有でき、設定やアップデートの管理が簡単になります。

アップグレードが容易

複数のデータベースインスタンスで同じOracleホームを共有する場合、アップグレードを1箇所で行うだけで済みます。

ログ関連ファイルの移動と管理

読み取り専用Oracleホームでは、ログ関連ファイルや設定ファイルがOracleホームに保存できないため、Oracle Base Homeにファイルがリダイレクトされます。以下が代表的なファイルの移動先の設定です。

診断ログファイル

エラーログ、トレースログ、その他の診断情報は、Oracleホームから「Oracle Base Home」にリダイレクトされます。これにより、ログファイルが読み取り専用のOracleホーム内に保存されず、ログの生成や参照が適切に行えます。

パッチログやインストールログ

ソフトウェアインストール時やパッチ適用時に生成されるログも、Oracle Base Homeに配置されるため、Oracleホーム内に変更が加わりません。

アラートログの配置

アラートログは、通常「Oracle Base」配下のディレクトリに配置され、データベースごとに生成されます。たとえば、$ORACLE_BASE/diag/rdbms/データベース名/インスタンス名/traceにリダイレクトされます。

読み取り専用Oracleホームの設定手順

Oracleホームを読み取り専用に設定する手順は以下の通りです。

Oracleホームの準備とインストール

Oracleソフトウェアを通常通りインストールし、アップデートやパッチも含めて適用してから、読み取り専用の状態にします。

ファイルリダイレクト設定の確認

ORACLE_BASE変数や、環境に応じたパラメータ設定で、すべてのログファイルや設定ファイルがオラタブルホームに保存されることを確認します。

読み取り専用モードの設定

ファイル権限を変更し、Oracleホーム内のファイルを読み取り専用にします。これにより、Oracleホーム内での書き込みができなくなります。

注意点とベストプラクティス

診断ファイルとログファイルの確認

Oracle Base内に配置されるため、適切なファイルパスを確認して、エラーやトラブルシューティングに対応できるようにします。

メンテナンス時の一時的な変更

パッチ適用やアップグレードが必要な際には、Oracleホームの読み取り専用設定を一時的に解除してから作業します。

適切なファイルパスの指定

データベースの設定ファイルなど、書き込みが必要なファイルがOracleホーム内に残らないように、パスの設定を適切に行うことが重要です。

まとめ

読み取り専用Oracleホームは、データベースの保守性やセキュリティを向上させるための強力な機能です。ログや設定ファイルが適切にOracle Base(オラタブルホーム)にリダイレクトされるため、Oracleホームを共用するインスタンス間での競合やセキュリティリスクが低減され、運用の効率が高まります。

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